ひとみーぬ通信

HSPの生存記録。気まぐれ更新。

「自己啓発」は私を啓発しないを読んだ感想

自己啓発で自分を啓発しすぎて、ボロボロになってしまった人に、再び走り出す前に読んで欲しい一冊。

 特に悪質な自己啓発セミナーの内容が実体験に基づき、とても詳細に書かれていて興味深かった。ブラック企業の手口とよく似ていて、いわゆる洗脳が行われます。

悪質な自己啓発セミナーの洗脳の手口

洗脳(マインドコントロール)の手順はとてもシンプルです。大まかにざっくり言うと

  • 隔離する
  • 疲弊させ、思考力、判断力を奪う
  • プライドをズタズタに崩壊させる
  • アメとムチを徹底する
  • マルチ化

 

という流れだと思います。

 

ただこれらは一部の(実はよくある)悪質な自己啓発セミナーの手口を説明しているだけで、本来の自己啓発、自体の意味を問うものではありません。

こういう手口で騙される人もいるから気を付けよう、という視点で読めばいいと思います。

 

自己啓発自体は悪いものではない、と著者もおっしゃっている通り、自己啓発は自分の意思を明確にし、人生によい変化を起こさせるためのいいスパイスであり、指南書にもなります。

実際、自己啓発書を読んで、実際に行動して、お金持ちになった人も沢山います。より理想のライフスタイルになれた人もいます。

でも、無理に、好きなことを仕事に!目標を明確に!と、自己啓発しなければダメだ!

と脅迫されるように、自己啓発する癖をつけてしまうと、ヘトヘトでボロボロになって、結局ライフスタイルが崩れていく要因にもなるのではないでしょうか。

不自然なポジティブ信仰が危機感を奪い、アクセルとブレーキのバンラス感覚を麻痺させる

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この本で印象的だったのは、起業し、セミナーを開いたある男性の話。

その男性は、都内の一等地でセミナーを開くために高い会場費を支払い、セミナーを開催したが、結局一人も受講者はきませんでした。

 

その人は、次々とどう見ても赤字のセミナー開催の話や、起業後、収入が赤字すぎて奥さんと離婚したり・・と危機的な状況の話を笑顔で始めます

「でも、セミナーで習ったでしょ?『ピンチがチャンスって!』ピンチがくる度に、チャ~ンスって嬉しくなるよね!」

         引用:「自己啓発」は私を啓発しない

          

 

ポジティブなだけで、危機感がなさすぎます(;゚Д゚)その後の展開もシュール!

村上さん(その男性)がこの後どうなったのは私にはわかりません。

 

この本を書くために久々に村上さんのブログを見ると、数年前から前向きなことがたくさん書かれている日記の更新が、ある日を境にピタリと止まっていました。

本当に、地球のどこかで元気にしていらっしゃるといいな、と思っています。

        引用:「自己啓発」は私を啓発しない

 

自己啓発で前向きな姿勢だけ学びとり、アクセルとブレーキの使い分けができなかった、という事例です。

 

詳しくは私が説明するよりも本をご覧になったほうが楽しめますので書きませんが、自己啓発に囚われすぎてしまうと、理想と現実のギャップに苦しむ、という弊害が起きやすいのは事実だと思います。

 

現実は自分も人も環境も、理想通りに動いてはくれませんからね。それぞれのルール、価値観、ペースがあります。

 

この本はとても興味深く楽しませて頂きました。

個人的にこれは違うのでは?と思った点

ただ一つだけ、これは違うんでは?と個人的に感じたところがありました。

それは著者が転職活動をしていた時、転職エージェントの方が転職希望者の人へされたアドバイスです。

 

集まった転職希望者の人達が少しでも自分を高く売ろう、と意気込んでいる中でかけらた担当者からのアドバイスです。

ひとつ大事なことをお伝えします。

天職も含めた話なんですが、仕事を上手くいかせるために・・

自分を安く売ってくださいね。

 は?(゚Д゚)と驚く転職希望者の人達へさらにアドバイスが続きます↓

 

自分を高く売るというのは、原理的にちょっと成り立ちにくいです。

 

極端なたとえですが、お茶くみのような雑用って、好き好んでやる人っていないと思います。

でも、そのお茶くみのようなどうでもいい仕事でも、『この人は濃いのが好きだよな』『この人は熱いのが好きだよな』という相手の好みを覚えて、お茶を出せると、周りの人が、この子は使えるな、と思ってくれるんです。

 

       引用:「自己啓発」は私を啓発しない

それにより、重要な仕事や活躍の機会を得られるようになる、とのこと。

これに関しては私は真逆の意見を持ちます。

安売りは自信のなさを表明するもの。安く買いたたく人を引き寄せる

これまでの体験から見ても、安売りすると、買いたたかれて終わるのがオチです。

 

便利な小間使いとして、都合よく利用されるだけで終わるケースもあります。

重要なのは、相手が誠意をもって見てくれる相手か、都合よく利用してやればいいや、で終わらせようとする相手なのか、を見極めることです。

 

傲慢な師匠や雇い主に利用され、一生下働きで終わるパターンも少なくないと思います。

何よりも転職者に簡単な新卒でもできるような内容をさせる企業というのもどうかと思います。

転職者って即戦力を求められてるんじゃないんですか?即戦力としてこれまでの経験やスキルを生かして欲しいから、高い報酬で雇うんでしょ?

 

安売りしろって変ですよ(゚ω゚)

 

私は安売りして後悔したことはありますが、安売りしてよかったと思った経験は一度もありません。

 

スキルや信頼を積んで、少しでも高い価値を見出して貰えるようになるには、安売りしないこと、が超重要だと思います。(もちろん実力がなければ仕事はきませんが)

 

ということでここの所だけ、一人ツッコミさせて頂きました(´Д`;)言い過ぎたかな・・。

 

でも全体的にとても気付きの多い、素晴らしい本だと思います(∩´∀`)∩←フォロー

楽々で簡単になにかを手に入れたいなら理想を下げればいい

自己啓発自体も、無理してやる必要もないと思います。無理して理想に自分をすりよせようとしたり、より快適で豊かな生活へ・・と頑張る生き方が幸せかどうか、わかりません。

誰もが無理して高い目標を掲げる必要はない

毎日を楽しんで、自分に与えられたカードで小さな勝負をかけながら、好きなことを気が乗った時だけしていくのもいいと思います。

仕事はつまらなくても、趣味が楽しければ人生は豊かになりますし、特別世間から注目されなくても、愛する大切な家族に囲まれる幸せを感じながらいきる、だけでも十分です。

しょーもないとこだらけの自分でも、まぁいいか、とかわいがってやれば案外生活が楽しくなるかもしれません。

自己啓発は役に立つが、柔軟に取り入れるのが正解

ただスキルを磨いておいたほうがいざという時武器になったり、選択しが広がる可能性は高くなります。

 

自己啓発なんて無縁の人でも、案外楽しく生きていますよね。

自己啓発は行動のスパイスとして利用する位がいいのかな?思います。