今から5年程前にこちらの本を読みました。
この本は、今後10年の世界の流れ、日本社会の流れからビジネスを取り巻く環境を予測する内容になっています。
中でも今後、高報酬で稼いでいける仕事とそうでない仕事が示唆されています。
- 今後10年食える仕事と人気資格
- 5年間はあっという間に過ぎ去った
- この5年で実感するビジネスの流れの変化
- クラウドソーシングの業務形態は今後さらに拡大、一般化する
- 将来性のある資格、仕事を選ぶことが最重要
- 医療関係の仕事、資格は今後も圧倒的に強く、安定している
- 医師以外で将来性がある、今後も最強だと思う資格
- 資格取得までのハードルが比較的低く、かつ価値の高い医療系の仕事
- 今後5年、10年で食えなくなる(報酬が上がらない、むしろ下がる)リスクのある仕事
- 現在人気の資格ランキング【2019年】
- まとめ
- 追記2018年
- 脅威が便利に変わるまでの間・・。
- まとめ
今後10年食える仕事と人気資格
- 無国籍ジャンル・・国籍を問わずグローバルに競争する仕事
例:CEO、ディーラー、パイロット、デザイナー、建築家、会計士、基礎研究者、国際弁護士、アーティストなど。
- グローカル・・日本語や日本人相手に高度な知識を活かしながら、高付加価値をつけた仕事
例:医師、コンサルタント、弁護士、SE、税理士、記者、編集者、開発、人事など。
- ジャパンプレミアム・・日本人独自のカルチャーや感受性、共通認識で信頼と価値を生み出したサービス
例:公務員、住宅営業、保険セールス、日本料理人、美容師、海外向け法人担当など があげられています。
これらの仕事は独自の強みがあるため、今後も工夫次第で優位性を保つことができ、今後10年(あと5年)は大丈夫だろう、ということでした。
5年間はあっという間に過ぎ去った
ただこの本もすでに5年が経過し、タイトルの通りに参考にすると、あと5年程しか期間がありません。
この5年間の間で、さらに変化の流れが進んできているのを感じています。
この5年で実感するビジネスの流れの変化
- アウトソーシング、クラウドソーシング活用の範囲、規模が年々拡大されている
- 単純作業の機械化(セルフレジ等)
ポイント 主にITを利用し、代用できる分野において、人から機械へと仕事が移りつつあること。
そして囲い込みの雇用形態ではなく、外部のアウトソーシングを部分的に活用する企業が増えていることです。
これは今はたいした影響を感じなくても、今後は日本の労働者にとってとても大きな変化をもたらしてくると感じます。
クラウドソーシングの業務形態は今後さらに拡大、一般化する
今までは囲い込みの労働形態で、一人の社員が複数の業務を総合的に請け負い、自社内で完結させていた作業が、部分的に外部に委託される、という流れが強まります。
今でもすでにその流れは始まっていますね。 委託したほうが低コストで、必要な作業分のみ仕事を発注することができます。
経営者としては派遣社員よりも便利で、コストがかからず、超効率的な方法です。
2020年までに3人に一人は在宅ワーカーになる?
海外では、すでに外部へのアウトソーシング、クラウド活用の流れはかなり進んでいます。
日本はまだかろうじて終身雇用や年功序列という古い習慣の取り決めが残っているため、大胆に踏み切る企業は少ないですが、今後5年、10年で見ると、かなり変わってくるのではないでしょうか。
2020年までに3人に一人は在宅ワーカー(クラウド活用)になる、と予測している有名な経済学者もいましたね。
将来性のある資格、仕事を選ぶことが最重要
このようなITの変化のスピードは速く、個人ではなかなか追いついていけない面もあります。
しかし、最初に説明したグローカル(日本独自の言語、知識を活かし、高度な専門知識を有する仕事)は、今後も圧倒的に強いと思います。 特に強いだろう感じるのが医療関係です。
医療関係の仕事、資格は今後も圧倒的に強く、安定している
医療関係は
- 国際競争に晒されるリスクはほとんどなく(外国人看護師よりも日本人看護師、医師を求める人は多い)
- 言語的にも母国語が堪能であることが有利です。(信頼、意思疎通)
日本人を相手にした、高度な専門スキルであり、なおかつIT化により機械にとってかわられるリスクの低い分野です。
医療系は最強だと感じますが、医師など資格を取得すること自体が大変な仕事であることも事実です。
しかし、一度頑張って取得してしまえば、後は一生有利な市場で安心して仕事に取り組める、というメリットを考えると、初期投資、労力を注ぐために犠牲を払う価値は十分あると感じます。
医師以外で将来性がある、今後も最強だと思う資格
助産師、看護師、理学療法士です。 医師ではないけれど、高度な専門スキルを持ち、日本人を相手に日本国内で引っ張りだこの需要だと感じます。
ただし、どれもやはりなるのも取るのも大変な資格ですね。
資格取得までのハードルが比較的低く、かつ価値の高い医療系の仕事
- 医療事務
- 調剤薬局事務
- 看護助手
などがあります。 どれも通信講座でも取得可能なので、働きながら転職のために取得することもできますね。
他にも、今後需要が減らないであろう分野として心理カウンセラー系も要チェックだと感じます。
通常のメンタルケアライセンス講座以外にも、愛犬などペットを飼う人が多いことを受けて、アニマル・ペットロス療法士講座というものもあります。
心理カウンセラーは医療系と違い、国家資格ではないので、技術を磨き、自分に合う方法で働き方を選択することができます。
どこかの企業にお勤めしながらお仕事をすることもできますし、個別のカウセンリングルームを借りて開業することもできます。
自分次第で仕事の幅が広がるのは魅力ですね。
ただ当然のことながら、お金目的だけで始めてもクライアントの心がわからずに、やっていけなくなります。
稼げそうだから、という理由だけで始めることはあまりオススメできません。(どの資格もそうですね)
今後5年、10年で食えなくなる(報酬が上がらない、むしろ下がる)リスクのある仕事
ちなみに今後5年、10年で価値が大幅に下落するであろう仕事、資格についても書かれていました。
- 重力の世界・・グローバル化し、低賃金で請け負う外国人労働者との競争に晒される
プログラマー、タクシードライバー、警備員、グランドアテンダント、コールセンタースタッフ、ウェイター、店員、介護福祉士、メーカー開発者(凡庸品)、検査、組み立てなど。
一部はすでにクラウドサービスを活用し、完全外注されている分野ですね。
タクシー運転手などはまだ大丈夫そうですが、他の仕事は外国人にまかせても問題ないジャンルですし、機械化できる分野もありますのでかなり厳しくなるのでは・・と感じます。
これから転職を考えている人も、一度ブランクを得て再就職しようと考えている人も、時間があるなら、少し面倒でも、将来性のある資格や仕事を選んだほうが、未来で再び苦労するリスクが減らせると思います。
現在人気の資格ランキング【2019年】
1位 ITプログラミング
2位 日本語教師
3位ネ ネイリスト
となっています。
※参考サイト ヒューマンアカデミー
私が5年前位に調べた時は、
- 1位・・ネイリスト
- 2位・・日本語教師
- 3位・・心理NLP
となっていました。
ITプログラミングが人気になってきたのがわかりますね。
その他にもWEBライター(在宅ワーク)という講座も増えていました。
時代のニーズに合わせて、新しい資格がどんどん増えています。
やはり人気上位の講座は将来的にも有効な資格が多く、趣味としてではなく、実務として生かしたいと考えている方が多い印象です。
その他トップ3には入っていませんが、チャイルドマインダーも人気のようです。
今後一人暮らしの人が増えるにつれて、ペットを飼う人も多くなると思うし、愛情の注ぎ方もより強くなるためアニマル系(トリマーやドッグシッターなど)の資格も需要が高そうですね。
また、今後の機械化の流れで単純労働の求人が減る一方で、エンターティメントや癒し系のお仕事は、生身の人間の感性が求められるため、逆に強くなるのではないかと予想しています。
まとめ
今後5年、10年と世の中の仕組みは確実に変化していきます。
市場が変化しても通用し、少しでも自分や周囲の人を助けられるような「強い資格、仕事」を見極める能力を持つことは、とても重要だと感じます。
追記2018年
この本が出版されたのは今から6年以上前です。 そして現在、この本が指し示す未来である10年後に迫りつつあります。
未来を見通すのは難しいですが、5年先程度なら現時点の経済の流れ、動向を見ればおおよその予想がつきます。
IT系の需要は今後も高い
私が一番のポイントだと感じるのが、今後もIT系の職種の需要はまだまだある、ということです。
本ではプログラマーが、今後需要が目減りする重力圏の仕事だと書かれいました。
しかしIoTをはじめ、テクノロジーが進化している今、プログラミングができるだけで仕事を獲るにはかなり有利です。
プログラミングの需要は非常に多いため、重力どころか高度なプログラミング知識を持つプログラマーは無重力に近い状態ではないかと感じます。
移民とクラウドワークスはあまり伸びない?
- 移民を受け入れる
- 在宅でのクラウドワークが進む
という流れも、まだあまり見られません。 移民を受け入れるよりも、高度な機械化による恩恵を労働市場に持ち込んでいく・・という方向へ舵を取る可能性も高いと感じます。
クラウドソーシングによる在宅ワーク、SOHO系の仕事も、増えてはいますが、まだまだ海外に比べると少ないです。
報酬単価がかなり低く設定されていることも一因だと思います。 今後は最低報酬額の底上げ、または高度なスキルを持つ人だけが圧倒的に有利、という業界になるのかもしれません。
【追記2019年】
2019年現在、インターネットの普及がさらに進み、WEBライターの需要も高まってきています。
5年前までは1文字0.2円程度の超低報酬が当たり前の在宅ワークでしたが、現在は報酬単価が2倍以上に上がってきています。
今の単価だと、じっくり取り組めば在宅ワークでも月収30万円以上の収入を継続していけるでしょう。今後もインターネット展開する企業や個人は減らないでしょうし、記事を書く仕事、WEBを通した在宅ワーク系の需要が高まる可能性が高いでしょう。
日本も他の先進国と同様に、本格的にSOHO系の仕事が増えてきています。
医療系は安定だが税収にはなりにくい
医療系は市場原理が働きにくいため、現在も安定しています。 医療事務に関しては、機械化が進めば需要が減るリスクはあるでしょう。
どちらせよ、医療系は税金が使われているため、急拡大したとしても国の利益にはなかなかならないのが難点ですね。
予防医学関連のビジネスが拡大すれば、ビジネスチャンスも広がり、かつ医療費の支出も減り、国にとっても国民にとってもWINWINだと思います。
英語力はスキルではなく基本能力
また今後の機械化や経済の流れがどのように変わっても、備えておいて損のないスキルは英語力です。
市場がボーダレス化し、日本のみならず、海外のサイトや会社を利用する機会も個人レベルで増えてきました。
ビジネスにおいても、業種によっては、海外の企業、支社、顧客とコミュニケーションしなければいけません。
グーグル翻訳なども進化していますが、スムーズなメールのやり取り、高度な知識の交換までは難しいのが現状です。
またチャットなど便利なシステムがあっても、英会話ができなければ利用することすらできません。
もし将来仕事がなくなっても、英語力だけは基本のスキルとして身に着けておいて損はないと感じます。
今は英会話教室に毎週通わなくても、オンラインで高品質のパーソナル指導が受けられるサービスもあります。
ビジネスで通用する英語力を持っていれば、言葉の壁のせいでチャンスを逃すこともないでしょう。
脅威が便利に変わるまでの間・・。
AIが進化して人間の仕事が機械に奪われるかもしれない・・という脅威は、いずれ便利に変わります。
従来型のビジネスがテクノロジーによって変化する分岐点を「逆に利用してやろう!」という意識でいれば、さまざまなチャンスが見えてきます。
- ツイッターやフェイスブック、WEBメディア、本などで経済の動向、テクノロジーの動向を把握しつつ、
- 学習用アプリや通信講座を利用して、空いた時間に技術を身に着ける・・
そんなスキル習得の効率化が可能であるのも、ネット社会の恩恵ですね。
まとめ
本の内容はあくまで予想にすぎません。 実際には最新の動向にアンテナを貼りながら、自分の臭覚で5年先を見定めて動いていくのが、現実的な対処法だと感じます。
昔のように20年、30年安定!というスキルや職業を探すのは難しい時代だからこそ、変化できる能力が重要なスキルの一つになると思いました。